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ハイブリッド給湯機は災害・非常時にも安心。停電・断水時を支える機能と活用術





近年、地震や台風、豪雨などの自然災害への備えとして、家庭のエネルギーインフラを見直す方が増えています。その中で注目されているのが、電気とガスの「いいとこ取り」をしたハイブリッド給湯機です。

しかし、いざという非常時に「本当にお湯が出るのか?」「停電しても使えるのか?」という疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。この記事では、ノーリツのハイブリッド給湯機の製品を例に、停電・断水・ガス遮断といった非常時におけるハイブリッド給湯機の動作と活用術を詳しく解説します。

①災害時における電力・ガスの復旧までにかかった日数



地震や台風などの自然災害が発生すると、私たちの生活に欠かせない電気が長期間停止し、災害時の生活を大きく左右します。

では、過去の大規模災害では電力が復旧するまでにどのくらいの日数がかかったのでしょうか。日本で発生した主な自然災害の事例をもとに見てみましょう。

1-1)電力復旧までにかかった日数



・東日本大震災(2011年) 東北電力管内で最大約466万戸が停電。発災後3日で約80%、8日で約94%の停電が解消され、復旧可能な地域の停電は約3か月後に全て復旧しました。一般的な復旧の目安としては、多くの地域で1週間程度で電気が再開されています。

(参考:3月11日の地震により東北電力で発生した広域停電の概要



・熊本地震(2016年) 九州電力管内で熊本県を中心に最大約47万戸の停電が発生。本震後おおむね5日で復旧困難な地域を除き停電解消しました。

(参考:平成28年熊本震災への対応と災害対応体制の構築に向けた取組<経済産業省>.pdf



・房総半島台風(台風15号 2019年) 千葉県を中心に東京電力管内では最大約93万戸が停電。倒木や電柱の倒壊が広範囲で発生したため復旧は長期化し、停電の解消まで約2週間を要しました。

(参考:令和元年に発生した災害の概要と対応<経済産業省>




 1-2)ガス復旧までにかかった日数



・東日本大震災(2011年) 都市ガスにおいて約46万戸が供給停止。復旧まで約5週間かかりました。

(参考:東北地方太平洋沖地震を教訓とした地震・津波対策に関する専門調査会 被害に関するデータ等



・熊本地震(2016年) 西部ガス(熊本地区)において、約10万戸の供給支障が発生。約2週間でほぼ復旧しました。

(参考:平成28年熊本震災への対応と災害対応体制の構築に向けた取組<経済産業省>.pdf


 東日本大震災で比較すると、電気の復旧が約1週間に対し、ガスは約5週間要しました。電気と比べガスの復旧にはより長い時間がかかる傾向があります。これは、ガス漏れによる火災や爆発を防ぐため、一軒ずつ安全確認を行いながら復旧作業を進める必要があるためです。


②停電・ガス遮断時にお湯は使えるか



ハイブリッド給湯機は、電気で効率よくお湯を沸かす「ヒートポンプ」と、瞬間的に大出湯が可能な「ガス給湯器(エコジョーズ)」を組み合わせたシステムです。非常時にお湯が使えるかどうかは、電気とガスのどちらが止まっているかによって異なります。


2-1)停電時の給湯と暖房の動作制限



停電が発生すると、原則としてハイブリッド給湯機はすべての機能が停止します。 これは、お湯を沸かすための制御盤や、お湯を送り出すためのポンプ、ガスの点火装置などがすべて電気で動いているためです。



・給湯機能 停電中は蛇口をひねってもお湯は出ません。

・暖房機能 床暖房や浴室暖房乾燥機も、電気供給がなければ稼働しません。



ただし、後述する「停電対応ユニット」や「ポータブル電源」を活用することで、停電時でも給湯が可能になるモデルが増えています。

2-2)ガス遮断時の電気給湯への切り替え



ガスが遮断されても電気が通じていれば、ヒートポンプを使ってお湯を沸かすことが可能です。 これがハイブリッド給湯機の大きなメリットの一つです。従来のガス給湯器ではガスが止まるとお手上げでしたが、ハイブリッドなら電気の力で最低限の生活用水を確保できます。

・沸き上げの仕組み ガスが使えないことを検知すると、自動または手動設定により、電気(ヒートポンプ)のみでお湯を沸かしてタンクに貯めます。

・注意点 ヒートポンプによる沸き上げには時間がかかるため、一度に大量のお湯を使うと湯切れを起こす可能性があります。40度程度の設定で、節約しながら使用するのがコツです。


③停電時の自立運転と電源確保の具体策



「停電=お湯が使えない」という弱点を克服するために、最近のハイブリッド給湯機には外部電源を利用して稼働させる仕組みが用意されています。


3-1)ポータブル電源での稼働手順



市販のポータブル電源を接続することで、停電時でも給湯器を動かせる場合があります。


ポータブル電源による復旧手順

・電源の確保 定格出力が給湯器の動作電力を上回るポータブル電源を用意します。

・コンセントの差し替え 給湯器の電源プラグを壁のコンセントから抜き、ポータブル電源のAC出力ポートに差し込みます。

・設定の確認 リモコンが点灯したら、必要最小限の温度設定(例:38度〜40度)にして使用します。

※すべての機種がポータブル電源に対応しているわけではないため、事前にメーカーの動作確認済みリストをチェックしてください。





3-2)停電対応ユニットの活用方法



オプションで「停電対応ユニット」を用意しているメーカーもあります。これは、車のアクセサリーソケット(シガーソケット)などから電源を取り込み、給湯器を動かすための専用装置です。



・車のバッテリーを利用 災害時にガソリン車やハイブリッド車から電力を供給し、お湯を沸かすことができます。

・自立運転モード ユニットを接続すると自動的に「停電モード」に切り替わり、ガスによる給湯が可能になります。


④断水時にタンクの水を生活用水にする方法



地震などで断水が発生した際、ハイブリッド給湯機の貯湯タンク内にある水は、貴重な生活用水として利用できます。


4-1)タンク取水栓の操作



ハイブリッド給湯機には、非常時に水を取り出すための「非常用取水栓」が備わっています。


取水の手順

・電源を切る 安全のため、可能であれば電源プラグを抜くかブレーカーを落とします。

・給水元栓を閉める タンクへの水の流入を止めます。

・取水栓を開ける タンク下部にある取水栓にホースを繋ぐか、バケツを置いて水を取り出します。





4-2)非常時に取り出せる水の量



ハイブリッド給湯器のタンク容量は、一般的に100Lから160L程度です。

例えばノーリツの「HPHB R290 145Lモデル」の場合、

 ・生活用水としての目安 トイレに使う水として、約36回分に相当します。

(トイレでの給水に必要な水量を4L/1回と想定した場合。トイレの機種によって異なります。)

・飲用は避ける タンク内の水は飲用水としての使用は避け、トイレの流し水などの雑用水として使用してください。


⑤電気とガスの併用による災害対策の強み



ハイブリッド給湯機は、他の給湯システムと比較して「災害時の復旧」においてバランスの取れた性能を持っています。


5-1)ガス給湯器やエコキュートとの比較



それぞれのシステムには、非常時の強みと弱みがあります。


システム別の非常時対応比較

・ガス給湯器(エコジョーズ) 停電に弱く、電気が止まるとガスがあっても使えません。ただし、復旧はガス・電気ともに早めです。

・エコキュート 断水時の貯湯量は多い(370L以上)ですが、ガスがないため、電気が復旧しない限り新たにお湯を沸かすことはできません。

・ハイブリッド給湯機 電気かガスのどちらかが生きていればお湯を作れる可能性があり、レジリエンス(復旧力)が最も高いと言えます。





5-2)停電時のハイブリッド給湯器の弱点



非常に優れたシステムですが、「電気がないとガスも使えない」という点は最大の弱点です。 ガス給湯器と同様に、制御に電気を必要とするため、ポータブル電源や太陽光発電などのバックアップ手段を持っていない場合、停電時はただの「貯水タンク」になってしまいます。


⑥ノーリツHPHB R290の非常時専用モード



ノーリツが販売するハイブリッド給湯機「HPHB R290」には、非常時に特化した機能が搭載されています。


6-1)災害時でもお湯を確保できる貯湯システム



ノーリツのハイブリッド給湯機は貯湯タンクを備えているため、停電時でもタンク内に蓄えられたお湯を利用できます。

・停電時もお湯が使える 停電前に運転スイッチをONにしておけば、貯湯タンクに蓄えられたお湯を給湯に利用できます。非常時でも手洗いや生活用水として活用できるため安心です。

・非常用電源にも対応 ポータブル電源や蓄電池、太陽光発電システムの電力を利用してヒートポンプを稼働させることで、停電時でもお湯をつくることが可能です。


6-2)防災に役立つ独自機能



ノーリツのハイブリッド給湯機には、災害への備えをサポートする独自機能が搭載されています。

そなえ貯湯 日本気象協会から提供される警報情報と連携し、登録地域に警報が発令されると自動で高温(65℃)の沸き上げを開始。災害発生前にタンク内のお湯を確保します。

そなえアナウンス 警報発令時には、停電時や断水時の機器の使い方や対処方法をリモコンで案内。いざという時にも落ち着いて対応できます。

太陽光発電・蓄電池との連携 停電とガス停止が同時に発生した場合でも、太陽光発電や蓄電池からの電力を利用してヒートポンプを運転し、お湯をつくることができます。

(参考:もしもの災害時にも暮しをサポート | 給湯・バスルーム | ノーリツ


⑦太陽光発電や蓄電池との連携メリット



ハイブリッド給湯器の真価を発揮するのは、太陽光発電や蓄電池と組み合わせた時です。


7-1)停電時でもお湯を沸かす仕組み



太陽光発電パネルがあれば、停電した昼間でも太陽光の電力を使ってヒートポンプを動かせます。

・自立運転コンセントの活用 パワーコンディショナーの自立運転用コンセントから給湯器へ給電することで、ガスが止まっていても太陽の光だけでお湯を作ることが可能です。

・エネルギーの地産地消 災害時だけでなく、普段から余った電気でお湯を沸かすことで、光熱費の削減にもつながります。


7-2)蓄電池を併用した夜間の給湯対策



蓄電池があれば、太陽が出ていない夜間の停電時でも安心です。


蓄電池併用のメリット

・24時間対応 昼間に太陽光で貯めた電気を蓄電池に保存しておけば、夜中に停電が発生しても普段通りにお風呂に入ることが可能です。

・安心感の向上 蓄電池とハイブリッド給湯器を組み合わせることで、ライフラインの寸断に対して極めて強い家になります。





⑧まとめ



ハイブリッド給湯機は、通常時の省エネ性能だけでなく、非常時のレジリエンス(対応力)においても非常に優れた設備です。

・ガスが止まっても電気でお湯が沸かせる

・断水時にはタンク内の水を生活用水として利用できる

・停電時でも太陽光発電やポータブル電源があれば給湯可能



ノーリツのハイブリッド給湯機は、貯湯タンクによる非常時のお湯の確保に加え、「そなえ貯湯」や太陽光発電連携など、防災性を高める機能が充実しているため、万が一の停電や災害時にも安心して利用できる給湯システムです。もしもの備えとしてハイブリッド給湯機を選ぶ方が増えてきています。給湯設備の交換でお悩み中の方は、候補の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。

 

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